サイクリングと前立腺の健康

サイクリングと前立腺の健康

 

5000人以上のサイクリストを対象とした英国の研究では、エリートサが6倍も多く発生すると報告しています。がん研究医であり、運動科学者でもあるケンブリッジ大学病院のトーマス教授はサイクリングと前立腺の健康について以下のようにまとめています。

週に8時間自転車に乗る男性は、3.75時間以下の人に比べて前立腺がんが多く見られます。

 

しかし、重要なのは運動する人はまったくしない人と比べればがんの影響を受ける可能性が3分の1であることを理解することです。

 

運動は、180以上の生化学変化をもたらし、私たちのDNAを守り、がんが成長し広がることを防いでいます。この変化には以下のことがらが含まれています。

 

間接的メカニズム―肥満を減らし、気分やビタミンDのレベルを上げます。

 

直接的メカニズム―インシュリン感受性を向上させ、インスリン様成長因子(IGF)を減少させ、ナチュラルキラー細胞やリンパ球を増加させ、がん細胞の免疫認識を向上し、プロスタグランジンなどの炎症マーカーのレベルを下げます。

 

サイクリングに関係し、前立腺がんのリスクに影響のある要因として以下が挙げられます。

  • サドルで会陰が繰返し圧縮されることが前立腺の再発性炎症へと繋がる。

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  • 激しいトレーニングや運動がテストステロンのレベルを上げ、これにより初期の前立腺がん細胞の成長を促す。

 

  • サイクリングはDNAにダメージを及ぼす活性酸素種(ROS)を発生させ、ステージ1のがんの発生や進行へと導く。

 

どうすればサイクリストの潜在的リスクを減らせるのか?

 

まず、自転車に乗ることをやめないでください。テストステロンレベルの増加は、最初の60分のみに発生し、55歳以上の男性に発生することはまれです。

 

特にエリートアスリートの間では、時間とともにテストステロンレベルは通常に戻ります。

 

同じように、酸化酵素レベルも、ROSの増加に比例して増加します。ポリフェノールなどの抗酸化剤が豊富な食生活は、これらのROSの吸収を助けてくれます。

 

また、精製糖の摂取を減らし、スーパー加熱炭水化物(ポテトチップス、ライ麦パン、ある種のシリアルやエナジーバーも)によって形成されるアクリルアミドを避けるなど、慢性炎症を減らすことや、加工食品や加熱しすぎの肉に含まれる多環芳香族炭化水素や硝酸塩を減らすことを考慮することも賢明です。

 

中でも、ポリフェノールを多く含む野菜、スパイス、ハーブ、お茶、ベリーやフルーツを多く摂ることが最も重要です。

 

 

ポリフェノールは、環境に含まれたり、摂取してしまった発がん性物質の解毒剤として作用し、抗炎症作用を含め、直接的な抗がん特性をも持っています。

 

世界がん研究基金は、これらの食品を摂取する人は、がんのリスクが低いと報告し、きちんと運営された臨床試験において、ポリフェノールが豊富な自然食品サプリメントが重要な抗がん作用を示しはじめていると報告されています。

 

このうちの最も大規模で注目に値するのは、英国政府が後援して全国的に行われたPomi-Tの研究であり、ここでは前述の成分が含まれたサプリメントが多くの男性の初期前立腺がんの進行を抑えたとしています。

これらのサイクリストへの明確な利点に加え、ポリフェノールが豊富な食品は、関節の軟骨を含む、組織の再生に不可欠な他の栄養も多く含んでいます。

実験室実験での発見によると、ポリフェノールは軟骨生成細胞を物理的外傷と毒性化学薬品から直接守ることで、関節炎のリスクを下げることができます。

 

これらの事実を念頭に置いて、Pomi-Tのトライアルチームはコンベントリー大学運動科学科とともにこのサプリメントの成分が関節痛を緩和し、可動域を広げることができるかを評価するためにもうひとつの二重盲検ランダム化比較試験を計画しています。

 

これは、パフォーマンスを向上させたいエリートアスリートから、炎症や関節痛の治療後の回復期の患者まで、あらゆるフィットネスレベルの人に関連しています。

結論として、運動後の生化学的変化は、大きな抗がん性質をもっているということが言えます。

 

しかし、フリーラジカルの発生や部分的炎症が、いまだ激しいサイクリングに対する潜在的懸念となっています。

健康的なポリフェノール豊富の食事やPomi-Tなどのオーガニックポリフェノールを多く含むサプリメントを摂ることがアスリートにとって賢明な選択であると言えるでしょう。

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